レビー小体型認知症
レビー小体型認知症とは
レビー小体型認知症は、男性に多い認知症の一種です。認知症ではアルツハイマー型についで多いといわれており、国際的にも注目を集めています。
この認知症はよくパーキンソン病と間違われることが多い病気です。これは、パーキンソン病の特徴として知られている筋固縮(筋肉のこわばり)や気分の落ち込みがレビー小体型認知症患者にみられるためです。パーキンソン病とレビー小体型認知症を見分けるポイントは、レビー小体型認知症には独特の幻視症状がみられること、パーキンソン病には基本的に認知症がないということです。
また、レビー小体型認知症には物忘れや気分の落ち込みがみられるために、素人判断ではアルツハイマー型認知症やうつ病と勘違いしてしまうこともあるので注意が必要です。
症状
レビー小体型認知症では、初期にちょっとした物忘れや身体の不調を過剰に気にする傾向、無関心、せん妄などがみられます。このような症状は手術後などに多く、回復しても睡眠障害などが続きます。しばらくすると、認知障害がすすみ、幻覚や幻視、人物誤認などが現れてきます。無関心や激しい寝ぼけなどが目立ちます。さらに進行すると行動異常が激しくなり、入院が必要になることもあります。
主な症状一覧
| 症状 | 特徴 |
| 幻視・妄想 | ないものが見える。 例:なにもないのに「動物がみえる」「子供が3人隠れている」などと具体的に主張する |
| パーキンソニズム | 筋肉のこわばり、抑うつ状態、手のふるえ、転倒しやすい(身体が傾いている)など |
| 幻視・妄想以外の認知機能 | 痴呆、記憶力低下よりも注意力散漫が目立つ、よくなったり悪くなったりと日によって症状の程度が変動しやすい、相手を見ない(無反応) |
| その他 | 睡眠障害、自律神経機能障害(便秘、血圧の変動、失禁、性的機能障害)など |
治療
歩行障害には神経伝達物質ドパミンを増加する薬が効果的といわれています。また、大声で叫ぶ場合は抑制系の薬を使用する場合もあります。そのほかの抗精神薬による精神症状のコントロールを行うこともあります。下記にご紹介するコウノ先生の参考HPには少量のアリセプトが一部のレビー小体型認知症患者に非常に効果があると発表されています。
なお、レビー小体型認知症は、薬剤過敏という特徴をもっています。薬を増やせば増やすほど効くわけではありませんのでご注意下さい。特にアリセプトは、興奮させる作用があるので多すぎると逆効果であるという意見が主流なようです。使用期間の間に休薬期間を設けることも少なくないようです。最近は細粒を使用して0.5mg~1mgから開始するのが安全と言う結論になっています。
また、抗精神薬の副作用で運動障害が、パーキソニズムを改善する薬では精神症状が悪化することもあるので注意が必要です。薬の用法・容量は必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。
参考:
http://www.kyowa.or.jp/dr_kouno/kouno_lecture/series/index_lecture21.html
最近では、漢方薬も注目され、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏などを使用する場合もあるようです。抑肝散は神経の興奮状態によく用いられる漢方薬、抑肝散加陳皮半夏は体力や抵抗が乏しいときの精神的興奮、不安、全身倦怠感などに使用される漢方薬です。
また、介護では患者は非常に転びやすいので歩行時にはケアが必要です。転倒すると寝たきりになることもあります。窒息も要注意なのでケアは欠かせません。
レビー小体型認知症の臨床診断ガイドライン(改訂2005)
アメリカのレビー小体型認知症研究会の診断基準です。参考までにご覧下さい。
1.必須症状:進行性の認知機能障害
2.中核症状(probable DLBには二つが、possibleDLBにはひとつが必要)
- a) 注意や覚醒レベルの変動を伴う認知機能の動揺
- b) 現実的で詳細な内容で、繰り返し現れる幻視
- c) パーキンソニズムの出現
3. 示唆症状(possible DLBにひとつ以上あればprobable DLB)
- a) REM睡眠行動障害
- b) 抗精神病薬に対する感受性の亢進
- c) 機能画像で基底核のドパミン取り込みの低下
4.指示症状
- a) 繰り返す転倒
- b) 失神
- c) 自律神経機能異常
- d) 幻視以外の幻覚
- e) 系統的な妄想
- f) 抑うつ状態
- g) 形態画像で内側側頭葉が比較的保たれている
- h) 機能画像で後頭葉のびまん性取り込み低下
- i) MIBG心筋シンチの取り込み低下
- j) 脳波で初期からの徐派活動







レビー小体型認知症








